3Dモデリングは、必要な機材やソフトウェア、そしてスキルやノウハウがあれば、プロに依頼しなくても自作することは可能です。難しいスキルやノウハウがなければ自作できないということはなく、時間をかけて学習しながらトライすれば、まとまった費用をかけずに3Dモデリングを作成できます。
しかし、時間をかけて自作しても、経験値やスキルが低ければ、どうしても完成度は低くなってしまうかもしれません。できるだけ時間をかけずにプロの完成度に仕上げたいという人にとっては、業者やクリエーターなどに依頼するのがおすすめです。その際には当然ですが、費用はかかります。では、どのぐらいが相場なのでしょうか?また、安く抑えるためのコツはあるのでしょうか?
2Dモデルを作成したうえで3Dモデリングへ展開
3Dモデリングを作成する際には、何もない白紙の状態から3Dのキャラクターを作り込むわけではありません。まずは2Dでイラストを作成し、そこから3Dへキャラクター展開するという形で作業を行います。
最初のプロセスとなる2Dモデリングでは、
- イラスト作成費用
- イラストをパーツに分ける費用
- Live2Dの作成費用
などの費用がかかります。
イラスト作成費用の相場は?
3Dモデリングにおける最初の工程は、2Dでイラストを作り込む作業です。これは、キャラクターをイラストとして描くわけですが、かかる費用はイラストのクオリティや、どこまで作業を依頼したかによって決まります。
例えば、キャラクターの素材を持ち込みそれをイラスト化してもらう場合には、かかる費用の目安は3,000円~1万円程度です。しかし、キャラクターを考えてもらったとか、3Dモデリング用のイラスト以外にコンセプトイラストなども作成してもらったりすると、更に費用は加算されるでしょう。
安く抑えるなら、イラストの2次利用という方法もアリ
イラスト作成費用を安く抑えるなら、オリジナルキャラクターではなくすでに作成されて2次利用が認められているイラストを購入するという方法もアリです。この場合には、イラスト購入費用だけが掛かるので、安く抑えることも可能です。
3Dにするためイラストをパーツ分けする
3Dモデリングでは、2Dのイラストを各パーツに分けた上で3D展開していきます。パーツ分けすることによって、パーツごとに異なる動きができるようになり、より豊かな表情や表現が可能になります。
どの単位でパーツ分けするかという点については、多種多様です。パーツを細かく分ければ分けるほど、より動きが自然で人間に近くなるでしょう。しかし、その分費用は高くなってしまいます。
パーツ分けにかかる費用の相場は、約5,000円~1万円程度です。パーツ分けのみを依頼するのではなく、イラスト作成を依頼した際に、パーツ分けもオプションとして追加するのがおすすめです。
動きを出すためにLive2Dデータを作成する
パーツ分けをしたら、Live2Dのソフトを使ってイラストに動きを出します。その際には、どこをどのように動かしたいのかというデータをもとにするため、別途でソフトが必要となります。スキルと経験値がない人にとっては、この工程はやや難易度が高いかもしれません。しかし、ソフトによってはスキルに自信がなくても使い勝手が良いものはあります。
このLive2Dの作業にかかる費用は、約1万円~5万円程度です。キャラクターにどんな動きをさせたいのかによって作業費用が異なります。
3D展開する際にかかる費用
2Dモデリングを作成したら、いよいよそこから3Dモデリングのためにキャラクター展開していきます。その際には、
- 三面図を作成する費用
- 3Dモデリングの費用
がかかることになります。
三面図作成の費用とは?
三面図というのは、キャラクターを正面から見たイラストだけでなく、横や後ろなどから見たイラストを描く作業です。正面から見たイラストは2Dモデリングですでに作成しているため、そこから想像力を働かせて横から見た姿、そして後ろから見た姿を描きます。
三面図を作成することによって、キャラクターの凹凸を視覚的に把握することができ、3Dモデリングを作成しやすくなります。かかる費用は、約5,000円~2万円程度が相場となります。
三面図の作成は、2Dモデルでイラスト作成を依頼する際にサイドや後ろ姿も合わせて作成してもらうと良いでしょう。同じクリエイターが一つのキャラクターを作成する過程で横から見た姿や後ろからの姿も合わせて作成する方が効率的です。オプションとして対応してくれるクリエイターや業者は多いので、ぜひ相談することをおすすめします。
いよいよ3Dモデリング!かかる費用は?
イラストを立ち上げてから多くの工程を経て、いよいよ3Dモデリングを作成することができます。3Dモデリングの作成では、イラストを3Dモデリングソフトを使って造形を決めたり、色合いや表情などを細かく作り込んでいきます。この作業は、一人のクリエイターが担当するのが一般的です。
3Dモデリングにかかる費用は、この工程だけで3万円~15万円程度が目安となります。どこに依頼するかによって費用が変わるだけでなく、クオリティや表情などによっても大きな違いがあります。
3Dモデリングを依頼する際の注意点
3Dモデリングを業者に依頼する際には、コミュニケーションのズレによる満足度の低下は、できる限り回避したいものです。そのためには、最初にVTuberとしての完成したイメージを決めておくのが良いでしょう。完成した姿がクリエイターと依頼主との間で共有できれば、大きく期待外れな作品に仕上がってしまうリスクを最小限に抑えられます。
キャラクターのイメージや世界観を既に持っている人は、クリエーターに視覚的に理解してもらうために、素材を持参したり、世界観を表現しているキャラクターを複数持ち込むという方法もアリです。依頼主のイメージに近いキャラクターを作成するためには、最初のイラスト作成のプロセスがとても大切です。
例えば、既にキャラクターが完成した後で髪形を変えるとか、体のパーツの動き方を変えたいなどの注文を入れると、更に費用は高くなります。それに、クリエイターにとっても一度完成したものを何度もやり直すことは本意ではないでしょう。そうした二度手間や不利益を避けるためにも、3Dモデリングの作成を依頼する際には、最初にヒアリングをしっかり行いましょう。
納品される形は最初に確認しておくべし
3Dモデリングの作成を依頼した場合、納品される形は1通りではありません。どのクリエイターに依頼するのか、またどの業者に発注するかによって、納品の形態は異なります。発注する際に明確にしておかなければ、納品されてからトラブルになってしまうかもしれません。
例えば、まとまった費用をかけて3Dモデリング作成を依頼したのだから、当然著作権は依頼主にあって商用利用ができると考えていても、場合によっては別途料金でオプションとなっていることは少なくありません。また、何パターンのモデリングが納品されるかについても、あらかじめ説明を受けておかなければ、納品されるまで依頼主にはわからないという事態が起こりかねないでしょう。
安く抑えるためのコツとは?
3Dモデリングを作成する際には、クリエイターや業者などのプロに依頼するとコストがかかります。できるだけ安く抑えるためには、自身でできる作業は自身で行い、難しい部分だけをプロに依頼するという方法が良いでしょう。
もしも時間があって3Dモデリング作成ソフトを購入できるのなら、時間はかかりますが一つ一つを自作するという方法もアリです。ソフトを購入すれば、練習しながらキャラクター作成を楽しむことができますし、一つ一つのプロセスを理解したうえで、工夫したり改善することも可能です。それに、練習することによってスキルや経験値が高まるので、1つのキャラクターを完成させた後には、別のキャラクター作成にも取り組みたくなるのではないでしょうか。
プロに依頼する場合には、キャラクター1つごとにまとまった費用が掛かってしまいます。しかし自身でソフトを使って自作するなら、かかる費用はソフトの購入費用のみで、何種類のキャラクターを作成しても追加で費用がかかることはありません。
ソフトの購入費用はどのぐらいが相場?
3Dモデリングを作成できるソフトは、たくさんのメーカーから多種多様な商品がラインナップされています。その中には、初心者でも使いやすいものもあれば、プロが実際の業務に使用するようなハイスペックなものまでさまざまです。多くの場合には数万円程度で購入できますが、ハイスペックなソフトになると、10万円超のものもあります。
初めて3Dモデリング作成に挑戦するなら、まずはフリーソフトを使ってみるのがおすすめです。フリーソフトだと、できる作業範囲は限られているものの、有料オプションとして機能拡張できるソフトはたくさんあります。後から必要な機能を追加することで、費用をできるだけかけずに3Dモデリングを楽しく作成できるのではないでしょうか。
安くプロに依頼する方法もある!
低予算で3Dモデリングを作成したいけれど、完成度を考えるとやっぱりプロに依頼するのが安心だという人は、少なくありません。そんな場合には、業者やプロのクリエイターに直接依頼するのではなく、SKIMAやココナラなど、3Dモデリング作成を得意とする個人へ発注するという方法も検討すると良いでしょう。
こうしたスキルマーケットでは、3Dモデリング作成のスキルを持った人が、お小遣い稼ぎや副業をするために登録しています。過去の作品や実績を参考にしながら、自身と世界観が違いクリエーターを見つけることができますし、中には高い技術があるのにリーズナブルな価格帯で受注している人もいます。
かかる費用はそれだけじゃない!キャラクターを動かすには更に費用がかかる!
3Dモデリングを作成しても、それだけでキャラクターをVTuberとして登場させられるわけではありません。動画内でキャラクターを動かすためには、更に費用がかかります。
必要な機材 | かかる費用 | スペック |
Webカメラ | 1,000円~10万円程度 | ・iPhoneでも可 ・全身を動かすならiPhoneがオススメ ・Webに接続できれば安価でもOK |
LeapMotion | 15,000円程度 | ・手足を動かす際に必要 ・Webカメラと併用 |
VR機材 | 数万円~数十万円 | ・VRヘッドセットとコントローラー ・トラッキングカメラやグローブも併用可能 ・人気はOculus QuestやVALUE INDEX |
全身モーションキャプチャ機材 | 20万円~100万円 | ・全身にVR機材を装着するイメージ ・安価なのはPERCEPTION NEURON ・精密な動きを表現する際に便利 |
パソコン | 10万円~20万円 | ・VR機材をサポートするスペックが必要 |
上記から、納品された3DモデリングをVTuberとして活躍させるためには、自身で揃えなければいけない機材があったり、それぞれの機材に必要な最低限のスペックがあることが分かります。
例えば、パソコンのスペックは、VR機器を使った動画をスムーズに動かすためのスペックが必要です。スペックが不足していると、動きがカクカクしたり時差が発生してしまうので注意しなければいけません。もしもこれからパソコンを買い替えるのなら、ゲーミングパソコンなどハイスペックなものを選ぶことをおすすめします。ゲーミングパソコンと謡われているものは、ハイスペックなパーツを搭載しているために費用は高めですが、3Dモデリングとは相性がバツグンです。