今や一般的なメディアとして、広く普及したYouTube。ビジネスに活用されている方も多いと思います。そして現在マーケティング戦略としても、大いに注目されているのがVTuberです。大手企業なども積極的に活用しており、今後ますます注目度が高まるとことでしょう。
ただ、一般的なイラストとは異なり、依頼時には動画コンテンツ作成の知識なども必要となります。発注に際して、何をどのように依頼すれば良いのか?と悩むこともあるのではないでしょうか。そこで今回はVTuberの基礎知識、依頼方法や相場、依頼時の注意点など、VTuberについてまとめました。
VTuberとは?
動画配信サイト「YouTube」に、オリジナル動画を公開している人をYouTuberと呼びます。個人も参加可能な発信メディアとして、世界中でさまざまな人がオリジナル動画を配信しています。コロナ禍で自宅時間が増えた昨今、以前よりも視聴者が増加したともいわれており、芸能人の参加も目立つようになりました。また、企業が自社商品などの情報発信の場としても積極的に活用されています。
これまでは動画の制作者や企業のマーケティング担当者など、人物が登場して情報を発信するのが一般的だったYouTube。
しかし2016年頃から広まってきたのが、VTuberです。VTuberはVirtual Youtuber(バーチャル ユーチューバー)を意味します。
YouTuberはオリジナル動画を発信する“人”ですが、VTuberは仮想の存在です。2Dや3D画像によるイラストやCGで作られたバーチャルなキャラクターが情報を発信します。
VTuberはアニメの登場人物のようなキャラクターも多く、企業とはあまり関係がないと思っている方もいるかもしれません。でも実際は大手企業などもVTuberによるマーケティング戦略を展開するなど、ビジネスとしても積極的に活用されています。
VTuberのキャラクターデザインの依頼先
VTuberをマーケティングに活用する企業が増えていますが、どこに依頼すればいいのでしょうか。
デザイン制作会社
企業の依頼先として最も一般手なのが、デザイン制作会社です。YouTubeの普及に伴い、ウェブ関連のデザインなどを手がけている会社など、VTuberのキャラクターデザインを得意とするところが増えてきました。
このようなデザイン会社は実績やノウハウが豊富です。受注からデザイン制作、YouTubeへのセットアップ作業、著作権の管理まで、ワンストップでサービスを提供しているところが多いのが特徴です。
VTuberの制作は、一般的なイラストとは異なり、キャラクターのデザインを完成させた後、YouTubeできちんと動かせなければ意味がありません。デザイン会社には、複数のスタッフが所属しています。
キャラクターデザイン担当のデザイナー、動画へのセットアップ担当者、制作プロセスのスケジュール管理などを行うプロデューサーなど、必要な作業をそれぞれのプロが分担して行うので、一括して任せられるのが利点です。デザイン会社によっては、VTuberの声を担当する声優の手配やナレーションの制作、アニメーションなどの映像コンテンツの制作、運営まで請け負ってくれるところも少なくありません。YouTubeコンテンツの作成まで任せたい場合にも、便利といえるでしょう。
個人のクリエイター
クラウドソーシングを通じて、個人のデザイナーやクリエイターに依頼する方法もあります。
個人に依頼するメリットは、費用が安く抑えられることです。
その反面、デザイン作成以外の仕事は自社で行う必要があるなど、自分たちで行う作業が増えるケースがあるので注意しましょう。また、制作スキルは人によってさまざまです。依頼するクリエイターのスキルを見極める目が求められます。
VTuberのキャラクターデザインの依頼で、特に人気が高いのは次のようなサイトです。
ココナラ
自分の得意なスキルを売ったり、売られているスキルを買ったりできる、スキル売買の仲介プラットフォームです。200種類以上のスキルカテゴリーが用意されており、その中から必要なスキルを探すことができます。
VTuberのキャラクターイラストを制作するデザイナーを探すのはもちろんですが、動画用の台本制作の依頼、BGM用の楽曲の依頼など、YouTube配信に必要なスキルを手軽に購入できます。
nizima
イラストやVTuber用のLive2Dデータが売買できるサイトです。VTuberとして使うことを想定したLive2Dデータが多数掲載されおり、実際に使ったときの印象がWebサイト上で確認できます。
すでにLive2Dデータとなっていますから、購入後にすぐに導入できるのもメリットといえるでしょう。
SKIMA
SKIMAは、個人にイラストを依頼できるWebサイト。Vtuber向けのイラストデザインや、モデリングを受注しているイラストレーター・デザイナーも多数登録しています。イラストに特化しているので、ハイクオリティーなデザインが多いのが特徴です。
見やすく使いやすいUIデザインも魅力となっています。制作者のイラストがアイコン化されており、作者がどのようなイラストを描くのかが、一目でわかるように工夫されています。
個人への直接依頼
個人のイラストレーターやクリエイターに依頼する方法は、クラウドソーシングの利用以外にも、直接コンタクトを取る方法もあります。
近年増えているのが、SNSで仕事を受注している個人の制作者です。SNSを通じて、どのような作品を作っているのかがわかり、気に入ったイラストレーターに、SNSからダイレクトに連絡をとることができます。
自分で探すのは不安…という方は、ウェブマーケティングなどに詳しい人から、クリエイターを紹介してもらうのもおすすめです。
デザイン制作会社と個人のクリエイター、どちらに依頼するべき?
デザイン制作会社に依頼するか、個人に依頼するか悩むところです。一概にどちらが良いとはいえません。
選択肢の基準として、ウェブマーケティングや動画コンテンツによるマーケティングの知識の有無が挙げられます。
YouTubeマーケティングやVTuberに詳しくない場合は、デザイン会社に任せる方が安心です。受注時のヒアリングからスケジュール管理、各種提案や活用方法のアドバイスなど、VTuberに関して丸ごと任せられるからです。
一方、VTuberの知識があるのであれば、クラウドソーシングなどで個人に依頼した方がコストを低く抑えることができます。知識があれば、運用までのスケジュール管理やマーケティング企画などは自分で行えるからです。
VTuberキャラクターデザインを依頼する流れ
依頼先を探す
まずは、発注先をいくつかピックアップし、問い合わせを行いましょう。デザイン会社のWebサイトの申し込みフォームや、クラウドソーシングサービスのWebサイトから問い合わせるのが一般的です。
ヒアリング
問い合わせ後、使用目的やキャラクターのイメージ、納期、予算など、必要なことを伝えます。また、現時点における疑問点や検討状況なども伝えると、問題点が明確になり、適切なアドバイスが得やすくなります。
制作内容については、
- キャラクターデザイン画のみを希望するのか、デザイン画はこちらが用意してパーツ組み込み作業のみ依頼するのか
あるいはキャラクターデザインもパーツ組み込み作業も全てセットで依頼するのか - モデルは2Dか3Dか
- 衣装は1着か複数か
- 三面図は必要か
- 声優やBGMは必要か
など、具体的かつ細かな点まで伝えるとよいでしょう。
しかし初めての依頼では、何をどう依頼すればいいのかわからないのこともあると思います。デザイン制作会社では、打ち合わせ書類などに必要な質問事項が記載されていることも多く、質問に答えていくだけで依頼内容が明確になるように工夫されています。
また、わからない点はあやふやなままにせず、その都度説明を受けることをおすすめします。
見積書
問い合わせ時のヒアリングを元に、見積書を提出してもらいます。
発注
見積もり内容を精査し、予算との兼ね合いも考えた上で、発注するかを決定します。発注が決定したら、デザイン案の制作となります。
デザイン案は打ち合わせ時のヒアリングの情報を元に、ラフ画として作成されます。
デザイン会社ではデザイナーの他にもディレクターや営業マンなどのスタッフがいますから、複数の視点からデザインを検討することが可能です。また、作成工程のスケジュール管理などもデザイン会社が行いますから、安心して任せられます。
個人のクリエイターに発注する場合は、スケジュール管理などはこちらで行う必要がある場合もあります。納期などのスケジュール確認を、しっかりと行いましょう。
デザイン試案の確認・修正
デザイン試案としてラフ画ができあがったら、イメージ通りかを確認します。イメージと違う点があれば、修正を依頼します。
あまりにもイメージとかけ離れている場合は、クリエイター側とのイメージの共有がうまくいっていない証拠です。再度打ち合わせを行い、イメージのすりあわせを行いましょう。
また、修正が規定の回数をオーバーすると、追加料金が発生するのが一般的です。修正は何回までなら無料で対応してもらえるのかについても、事前に確認しておきましょう。
納品
修正が行われ、イメージ通りのキャラクターデザインが完成したら、納品となります。
もし完成品がイメージ通りでない場合は、修正となりますが、理不尽な注文はトラブルの元となるので注意しましょう。ラフ画の時点で指摘できた修正を、完成した作品に対して行うのはおすすめできません。
「イメージと違うから、ラフ画からやり直してください」といった修正依頼は、これまでの作業を再度繰り返すことになります。相手との関係が悪化したり、追加料金が発生したりなどのトラブルが起こることもあります。
トラブルを防ぐためにも、綿密な打ち合わせ、修正段階での確認を怠らないことが大切です。また、こちらがお客なのだからと、無理な要求をするのは禁物です。良好なコミュニケーション関係を築くよう心がけましょう。
VTuberキャラクターデザイン制作費の相場
VTuberのキャラクターは、一般的なイラストとは異なり、動画上で動きます。このためデザイン作業は、
- 基本となるキャラクターデザインのイラスト画の作成
- 動画上で動かすためのパーツ作成・モデリング作業
の2つの作業に分かれます。
またデザインには、2DモデルのLive2Dと、3Dモデルの2つの種類があります。2Dモデルは平面的なイラスト、3Dモデルは立体的なイラストです。
3Dモデルは2Dモデルをもとに立体化します。2Dモデルよりも複雑ですから、価格は高めとなっています。予算との兼ね合いもあり、現状では2Dモデルを依頼するケースが多いようです。
イラスト制作費の相場
キャラクターデザイン用のイラスト作成の相場は、3万~10万円程度が一般的です。
ただ、イラストレーションの複雑さ、イラストレーターの知名度や実績などによって異なります。売れっ子イラストレーターの場合は、何十万円ものデザイン料がかかる場合もあります。逆に個人のイラストレーターでは、1万円程度で受注しているケースもめずらしくありません。
パーツ作成・モデリング作業
1万~15万円程度が一般的な相場です。
パーツ分けの工程数などによって、料金は異なります。
すでにキャラクターデザインが作成済みで、そのキャラクターを動画上で動かすだけであれば、パーツ作成・モデリング作業だけを依頼すればよいので、価格は低く抑えられます。
セット料金とオプション料金
VTuberキャラクター制作費は、基本となるデザインのイラスト画と、2Dまたは3Dのモデリング費用に分かれます。イラスト画とモデリング費用込みのセット料金となっているケースも多くみられます。
また、イラストのみの料金や基本セット料金に、オプションが付属する料金システムを採用しているところもあります。
衣装の数を増やす、より細やかな表情や動作をさせるなど、基本的なデザインに付加価値を付ける場合に、オプションとなっているケースが多いようです。
オプションの内訳や費用などは、デザイン会社やクリエイターによって異なります。基本となるデザインの内容と料金、オプションでできることとオプション価格を、事前に確認しておきましょう。
VTuberキャラクター作成で気をつける点
希望するイメージを具体的に伝える
こちらのイメージを、しっかりと相手に伝えることが何よりも大切です。「ざっくりこんな感じで…」と説明しただけでは、作る側は困ってしまいます。
伝えるイメージとしては、
- 性別…男性か女性か、ケモ耳などがついた獣人族を希望というケースもあるかもしれません
- 年齢
- 身長・体重
- 体型…3頭身、8頭身など
- 髪型…ツインテール、おかっぱ、ちょんまげなど
- 髪の色…茶、ピンク、ブルーなど
- 目の形と瞳の色…垂れ目で瞳の色は茶、黒目がちでまつげが長いなど
- 職業…学生、幼稚園児、秘書、パイロットなど
- 服装…制服、着物、フェミニンなワンピース、コート姿など
- アクセサリー…眼鏡をかけている、パールのネックレスなど
- 性格…おだやか、やんちゃ、泣き虫など
- 希望するポーズ
など…
可能な限り、具体的なイメージを伝えましょう。言葉だけでは正確に伝わらないことが多いので、髪型や表情、体型、服装など、参考となる画像を用意しておくと、正確なイメージが伝わりやすくなります。
事前に、ディテールまでイメージを固めておかないと、ラフ画の時点で修正点が増える可能性が高くなります。修正が増えると価格がアップすることも多いので、イメージの共有はとても大切な作業です。
2Dモデルか3Dモデルかの明確化
2DモデルのLive2Dで作るのか、3Dモデルで作るのかも、先に決めておきましょう。
平面的なLive2Dは、正面を向いたキャラクターとそのパーツがあれば問題ありません。
これに対して3Dモデルのキャラクターは、立体的な動きが要求されます。正面だけでなく、横から見たもの、背面など、複数の角度からのイラストを用意してもらうと、動いたときのイメージがわかりやすく、全体の角度を見て完成度をチェックできます。三面図などで、デザイン画の納品を依頼しましょう。
著作権の確認も大切
イラストなど知的財産の使用でトラブルに発展しやすいのが、著作権です。
YouTube以外のWebサイトや広告、商品などにVTuberキャラクターを使用すると、著作権侵害となるケースもあります。使用できる範囲やライセンス料、著作権の譲渡など、キャラクター使用に当たって問題となる点がないか確認しましょう。デザイン会社では、ライセンス料や著作権譲渡料なども含めて、見積書を作成してくれます。また納品時に、使用上の注意などを記した説明書が添付されているのが一般的です。
クラウドソーシングを通じての依頼では、納品時に著作権の譲渡も行われるよう管理されています。
このためトラブルは起こりにくいのですが、念のために著作権についてはしっかりと確認しておきましょう。著作権に関するトラブルは、自社の信用やイメージを低下させます。
特に気をつけるべきなのが、SNSや知り合いの紹介などで、直接クリエイターに依頼する場合です。著作権について、明確な取り決めを行うようにしてください。
複数の依頼先候補をピックアップして比較・検討を
今やYouTuberをしのぐ勢いで人気が急上昇しているVTuber。企業としても見逃す手はありません。今回の記事で、相場や依頼の流れなどを把握できたのではないでしょうか。
デザイン制作会社と個人のクリエイターに依頼する方法がありますが、どちらにもメリットがあります。複数の依頼先候補をピックアップし、価格やサービス内容、デザインテイストなどを比較検討し、自社に最適な依頼先をみつけましょう。
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