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イラスト作成で稼ぐにはどうすればいい?副業として収入を得る方法や報酬の相場について伝授!

いろいろなところでイラストを見かけるようになりました。それだけイラストの需要が伸びているのですから、イラストを描くのが得意な方、好きな方が「イラスト作成を副業にできないだろうか」と考えるのもごく自然な話です。でも実際にイラストで稼ぐとなるとまず「どうやってやればいいのか?」の段階で躓いてしまいがちです。

実際にイラスト作成の副業をはじめてみたい、または本格的に副収入の手段にしたいという方はまずその方法・選択肢から、そして実際にどの程度稼ぐことができるのかを知っておく必要があります。イラスト作成といっても非常に幅広い分野があり、求められる絵柄やスキル、作業量、さらに報酬もさまざまです。「どれだけ稼げるか」はもちろん、自分に向いているかどうか、レベルに合っているかどうかも重要なポイントとなるでしょう。

こんなにあるイラスト作成の選択肢!

インターネットビジネスの普及・多様化が進んでいることもあり、イラストでお金を稼ぐ方法も多彩です。まずどんな選択肢があるのかを以下の表でまとめみました。

種類はじめやすさ稼ぎやすさ
クラウドソーシング◎◎◎◎◎◎◎
イラストAC◎◎◎◎◎◎◎
SNS・プログを運営する◎◎◎
LINEスタンプ◎◎◎◎
ストックフォト◎◎◎◎
友人・知人からの依頼◎◎
グッズ販売◎◎

クラウドソーシングで稼ぐ

誰でもすぐにはじめられる方法として、まず挙げられるのがクラウドソーシングです。「仕事を受注したい人」と「発注したい人」の橋渡しをするクラウドソーシングのサービスを提供している業者が増えており、サイトに登録するだけで気軽にはじめることができます。まずそうした業者に登録したうえでイラスト作成関連の案件を探すわけです。イラスト作成の案件を扱っている業者としてはクラウドワークス、ランサーズ、ココナラなどが挙げられます。

この選択肢の特徴は個人でも簡単に案件を探して応募することができること、そして事前に案件の内容や報酬額を確認したうえで応募できる点です。しかも状況に応じて発注者と交渉したうえで納期や報酬額を決めていくことも可能です。

もちろん、発注者が求めるイラストを求めるレベルで作成するだけのスキルが必要ですが、経験・コネがない人でも求められるレベルさえクリアできればすぐに仕事を見つけられるので、未経験からでもはじめやすいという大きなメリットを持っています。

ココナラの場合、案件に応募するのではなく自分のスキルを「販売する」というユニークな形をとっています。つまり、あなたが得意とする分野を自分で決めたうえでそのスキルを販売するわけです。例えば「デフォルメ系のキャラクター制作」といった形です。するとそうしたイラストを求めている人が、あなたに発注する形であなたのスキルを購入するわけです。

応募するタイプと発注するタイプの両方をうまく使いこなすことで、いろいろな形で仕事を探すことができるでしょう。

イラストACを利用する

無料でイラストをダウンロードできる「イラストAC」というサイトがあり、ここを利用することで収入を得ることも可能です。このサイトでは作成したイラストを登録しておき、誰かがそれをダウンロードすることで3.5円の報酬を受取ることができます。10人ダウンロードすれば35円、1000人ダウンロードすれば3500円の収入が発生するわけです。

このサイトのポイントは「利用者がイラストをダウンロードするのは無料」という点です。お金を払ってダウンロードしなければならない場合、どうしてもためらってしまったり、ハードルが高くなってしまうものですが、無料なら「とりあえずダウンロードしておこうか」といった軽い気持ちで利用するものです。ですからあなたがまったくの無名であっても、誰かの目を惹くイラストを作成することができれば「あ、これ面白そう」とダウンロードしてくれるチャンスも得られやすいのです。

そしてダウンロードしてくれる人が増えていくにつれて評判も知名度もアップしていき、固定ファンがつくなど確実に収入を確保できる環境を獲得できるようになります。もちろんそのためにはコンスタントに一定のレベルのイラストを作成・アップロードし続ける必要がありますが、なかなかやりがいのある作業といえるのではないでしょうか。一枚のイラストが100回ダウンロードされるとして、1ヶ月に10枚作成・アップロードすれば3500円、1000回ダウンロードされるようになれば35,000円。しかも一度作成したイラストはいつでもダウンロードされる形になるので、たくさんのイラストをアップロードすればするほどお金を稼ぐチャンスも大きくなります。

SNSやブログでイラストを投稿

コミックの分野では、SNSやブログで新しい才能を発掘する動きが進んでいます。従来のように新人賞など出版社の賞を通過することなく漫画家デビューする人も増えていますし、イラストレーターとしてデビューするケースも見られます。

上述したクラウドソーシングやイラストACのように、描いたイラストが評価されることですぐに収入に結びつくわけではありませんが、あなたが自分のブログやSNSにイラストを投稿し続けることによって収入を得る機会も得られます。その方法は2つです。

まず、ブログに広告を掲載して収入を得る方法です。イラスト作成に限らず、ブログ運営を副業にしている人は多く、多くの人がアクセスすればするほど多くの広告費を得ることができます。文章メインのブログに比べてイラストメインのブログは集客がしやすいため、軌道に乗せることができればある程度まとまった収入、月収10万円レベルを目指すことも十分可能です。あなたのイラストや描いた漫画が評判を得て、リピーターがつくようになればさらなる高収入のチャンスにも恵まれるでしょう。

そしてもうひとつの方法はブログで自分のイラストを宣伝し、イラスト作成の依頼を待つ方法です。実際にプロの漫画家、イラストレーターでも自分のSNS・プログで「イラスト作成のご依頼を承ります」といった形で問い合わせの窓口を用意しているケースが見られます。ブログで掲載していたイラストがきっかけでプロデビュー、といった展開もありうるわけです。

この方法のポイントはできるだけ定期的に更新すること、リピーターが定期的にSNS、プログをチェックしてくれるような環境を維持することです。コミックなら連載するのもよいですし、イラストでもある程度テーマを決めたうえで定期的に投稿するのがよいでしょう。1週間に10枚のイラストを一気に描きあげたからといって10枚一気に投稿するのではなく、ある程度間隔をおいて投稿したほうがリピーターを獲得しやすくなります。こうしたSNS・ブログ運営のコツなども踏まえた上で続けていくと、収入を得るチャンスが広がっていくでしょう。

LINEスタンプで稼ぐ!

これも手軽に始められるうえに収入をチャンスに恵まれやすい方法です。「当たれば一気に高収入も得られる」といった評判もあるので、イラスト作成が得意な人の多くがこの方法で収入ゲットを目指しているようです。

これはLINEで使用するスタンプを作成し、それを販売する方法です。何しろ国内で数千万人レベルの人がアクティブなユーザーとして利用しているため、需要も圧倒的なレベルで、ちょっと話題になったスタンプならたちまち十万単位のダウンロード数に達することもあります。このLINEスタンプが話題になりはじめたころは「LINE長者」などとも呼ばれ、数千万円レベルの収入を得た人も登場していました。あなたもうまくいけばそんなLINE長者になれるかもしれないのです。

問題点としてはユーザーが多い一方、スタンプを作成しているクリエイターも、作成されたスタンプの数も多く、ライバルがひしめく中でうまく多くの人の注意を引きつけるようなスタンプを作成する必要がある点です。おもにスマホで使用されているLINEのスタンプですから、サイズに制限もあり、その中で魅力的なイラスト・デザインを作ることができるかもポイントになってくるでしょう。細かく美しい絵よりも、デフォルメされた可愛い絵が適している面もあるので向き・不向きも出てきます。それでもイラストで収入を得たいと考えている方にとっては非常に魅力的な選択肢となるのは間違いないでしょう。

ストックフォトを利用する

イラストACやクラウドソーシングと似た方法ですが、ストックフォトという選択肢もあります。イラストACと同様、作成したイラストを登録し、誰かが「購入」したときに報酬が発生します。つまり、イラストACのように無料でダウンロードするのではなく、ユーザーは有料で購入する形となるのです。

当然ハードルが高くなり、「お金を出しても買いたい」と思えるような魅力を備えているイラストでなければなかなか収入を得るのが難しいですが、有料な分売れたときの報酬額も高めになっています。本格的にプロのイラストレーターとしてやっていきたいと思っているなら、「お金を出しても買いたい」と思ってもらえるようなイラストを作成できるようになる必要があります。その意味ではイラストAC以上に「本気度」が問われる選択肢と言えるかもしれません。

このストックフォトのポイントは、原則として作成したイラストの権利を本人が持つことができることです。つまり、ストックフォトに登録したイラストを他の用途で使用してもよいのです。無料で利用できるイラストACと併せて登録するのは少し変な形になってしまうので向いていませんが、自分のSNS・ブログに掲載して宣伝する、または個人的に販売することもできるのです。

自信があるよいイラストを描けたときにはあちこちで紹介して営業しつつ、ストックフォトで直接収入を得られる環境を確保する、ということもできるのです。

友人・知人からの依頼を受ける

これはコンスタントに稼ぐ方法とは言えませんが、個人的なコネを活用して仕事の機会を得る方法です。これだけ世の中のあちこちにイラストが必要とされている状況なのですから、あなたの知り合いの中にも誰かにイラストを書いて欲しいと思っている人がいるかもしれません。例えば会社の資料や店舗の看板、広告、個人の名詞、さらには何かのイベントの招待状や看板など。

こうした需要が生じたときに、先述したクラウドソーシングやイラストAC、ストックフォトを利用してイラストレーターに発注、またはイラストを購入している人も多いのです。しかしイラストが欲しい人たちからすれば、知人に上手な絵を描いてくれる人がいるならそっちに頼みたい、と考えるものでしょう。直接依頼すればクラウドソーシングのように手数料のコストがかかりませんし、知人なら作成するイラストについていろいろな要望や注文をつけることもでき、作成の間もいろいろな意見調整ができるからです。

あなたの側としてもいろいろなメリットがあります。注文が多くなる分、クライアントの要望に合ったイラストを作成するための経験やスキルを積むよい機会になるでしょう。本格的にイラストで稼ぐとなると「自分が描きたい絵」「うまく描ける絵」だけでなく、「相手が描いて欲しい絵」を相手が求めるレベルで描くスキル・ノウハウが必要になります。あなたからもいろいろと都合をつけられる環境でそうしたノウハウを身につけることができるのです。

結婚式などいろいろな人が参加するイベントでのイラスト作成なら、参列者の目に止まって新たな仕事の依頼を受ける、といった機会も得られるでしょう。

注意点としては「どのような形で報酬を受け取るのか」が挙げられます。クラウドソーシングのように橋渡しをする業者を介さない分、高い報酬額を貰える可能性がある一方、いわゆる「友達価格」で安く値切られてしまう可能性も高いのです。とくに親しい友人や身内からの依頼ともなると食事をおごってもらうなど、収入とは言えない形で対価を受け取るケースも多くなります。依頼を受ける相手とどれぐらい親しいかによってよい収入の機会になるか、それともあくまで経験を積む機会として利用するかの差が出てくる面もある選択肢です。

グッズを販売する

これはかなりハードルが高くなりますが、イラストだけでなくグッズを作成して自分で販売する方法もあります。ハンドクラフトの分野でとくに普及している方法です。グッズといってもそれほど難しく考える必要はなく、あなたが描いたイラストをあしらったオリジナルTシャツなど、「あなたがイラストを作成し、グッズ制作そのものは業者に委託する」方法で行うことができます。ですから多くの方が「グッズ制作・販売」と聞いて思い描くよりもずっと簡単にはじめることが可能です。

こうしたオリジナルTシャツをはじめとしたグッズ販売を手掛けている業者もあり、「STORES.jp」や「BASE」、「トリニティ」「スズリ」などが代表格として挙げられます。これらのサービスに登録してイラストを作成し、グッズ展開を行っていくわけです。発注を受けてから作成する形をとっているのでグッズ販売にありがちな「作りすぎて在庫を抱え込んでしまった」といった問題を抱えることもありません。

冒頭で「ハードルが高くなる」と書いたのはこうしたビジネスをはじめる段階の話ではなく、実際に収入を得ることができる段階のことです。誰かがあなたのイラストを見て、それをあしらったグッズが欲しいと感じ、実際にお金を払って購入する。ここまで達してはじめて収入が発生するのです。アニメのキャラクターや企業・観光地のイメージキャラクターなど、イラストをあしらったグッズが溢れかえっている世の中でどれだけあなたのグッズに需要があるか、と考えるとかなり魅力のあるイラストを描かないとコンスタントに収入を得るのは難しいかも知れません。ただグッズ販売は「当たるとデカい」面があるため、多くの人に買ってもらえるようなグッズを作ることができればたちまち多額の収入を得ることも可能です。

これらの選択肢から言えることは「うまいイラストを描く」だけでなく、「魅力的なイラストを描く」ことが問われます。とくにLINEスタンプやグッズ販売の場合にそれが顕著に見られるでしょう。すでに世の中には「上手いイラストを描く人」がたくさんいますし、こうした人達によって描かれた「上手いイラスト」がネット上には溢れかえっています。ですからそうした中において多くの人があなたのイラストに注意を向け、魅力的に感じられるようなイラストを描く必要があるのです。

一方、人気のあるイラストの中には「技術的」には決して上手いとは言えないものの、個性的で味のあるものもあります。イラストの分野は技術よりもこうした個性が評価される奥が深い面もありますから、「自分なりの魅力」をいかに身につけていくかも成功するうえでのポイントとなるでしょう。

そうなると自分なりに「目指したい路線」を模索しつつ、いろいろな依頼を受ける機会を得て柔軟に対応できる技術力を磨き、さらにそうした依頼を通して「どんなイラストが求められているのか、人気を得ているのか」を学んでいく。そんな姿勢もイラストで稼いでいく上では必要になるかも知れません。今回紹介した選択肢のひとつに絞るのではなく、複数の選択肢を併用しつつ「多くの人に求められる絵」を目指してみるとよいのではないでしょうか。

イラスト制作の報酬はいかほど?その相場に迫る!

このようにイラスト作成で稼ぐ方法にはさまざまな選択肢があり、方法によって報酬額もまさに「ピンからキリまで」です。先述したように、LINEスタンプのように市場が大きな分野ではヒット作を出せばあっという間に大金を獲得することも夢ではありません。とはいえ、そんなチャンスに恵まれる人はごくわずか。着実にイラスト制作で稼ぎたい、という方はコツコツとイラスト作成の依頼や販売の仕事を続けていくことになるでしょう。

そうなると気になるのが報酬額・単価です。イラストを作成することでどれだけの報酬を受取ることができるのか気になる方も多いでしょうし、知っておかないと仕事を探すときに割のよい仕事か、割りに合わない仕事かの判断もできず、自分が対応できる作業時間でどれだけの収入を得られるのかの見極めも難しくなります。

大雑把な目安は3000~1万円程度

イラストの価格は「一枚いくら」といったはっきりとした基準はなく、内容やサイズなどによってさまざまです。ただ、日本イラストレーター協会が発表しているひとつの目安があります。それは10センチ角に収まる範囲内での報酬額の相場で、

  • モノクロの場合…3000~5,000円
  • カラーの場合…5000~1万円

とされています。これを高いと感じるか安いと感じるかは人それぞれですが、だいたいこれぐらいを目安に報酬額が決定すると考えておくとよいでしょう。カラーの方が相場は高いのは当然予想がつきますが、カラーのほうがモノクロに比べて作業時間が長くなります。ですから必ずしも「カラーのほうが稼げる!」とは言えない面もありなかなか難しい部分とも言えます。

なお、看板やサイトのメインイラストのように比較的サイズが大きなイラストのことを「テーマ」と呼びますが、こちらの場合はカラーで3万~15万円、モノクロで3万~10万円程度が相場とされています。ですからこうした「目立つ」イラスト作成の依頼を受けられるようになるかどうかでも収入に大きな差が出てくることになります。

報酬額はどうやって決まるの?その基準を探る

人気のあるイラストレーターや漫画家は報酬が高く、無名のイラストレーターは安いというのは容易に想像がつきますが、名前だけで報酬が高くなるブランドイメージを持っているイラストレーターや漫画家はごくわずかです。そうなると報酬額は描く人間の知名度や評判だけではなく、さまざまな要素で決定されていることになります。その基準には以下のようなものがあります。

クライアントの予算や需要に併せて設定される

あるお店が新たに看板を制作するために10万円の予算を用意したとします。その場合看板に描くイラストへの報酬額も当然10万円以下ということになるわけです。こうした事情・予算に合わせたうえで報酬額を決定する方法を「需要志向型価格決定法」と言います。いわばイラストレーターの側がクライアントの予算・需要に併せて「発注してもらいやすい」価格を設定するのです。この方法のポイントは「価格が安ければよい」わけではなく、あくまで需要に合った価格を提示する必要があることです。10万円で看板を制作する以上、10万円を費やすのに見合ったクオリティを求めるわけで、そこに「5,000円でイラストを制作しますよ」と言われると「そんな安くてクオリティは大丈夫か?」と不安を抱いてしまうものです。ですからクライアントに「これだけの報酬を払えばこれだけのクオリティは得られるに違いない」と思ってもらえるような価格設定が必要になります。

コストに併せて設定される

そのイラストを作成するのにどれぐらいのコストがかかるのかを概算したうえで、プラスアルファで価格を上乗せして決定する。この方法を「コスト(原価)志向型価格決定法」と呼びます。このコストとは必要経費はもちろん、作業時間、人件費なども含まれます。ですから同じクオリティのイラストでも安く済ませることができた場合には報酬も安くなるわけです。そして同じクオリティなら安い方を選ぶのが自然というものですから、イラスト作成の場合は「筆が早い人」のほうが有利な面もあるわけです。この方法の場合、メリットとして有名ではないイラストレーターにしばしば見られる「報酬よりもコストの方が高くついてしまった、よい経験だと思うことにしよう」といった状況を防ぐことができる点も挙げられます。

市場原理に併せて設定される

需要志向型価格決定法と共通する部分もありますが、市場原理、つまり相場に合わせて決める方法です。例えばサイトのトップページのイラスト作成の現場における大まかな報酬額を前提にしたうえで、その相場に見合った額を決める形になります。あるいは他のイラストレーターへの報酬をもとに決められる場合もあります。例えばA社が以前イラストレーターBに10万円の報酬を支払ってイラスト作成を依頼していた場合、のちにイラストレーターCに別の同じような内容の仕事を依頼した場合には10万円程度に収まるわけです。

この方法のポイントは「自分はこんなに頑張ってよいイラストを作成したのに、相場よりもずっと安い報酬しかもらえなかった」といった不公平感が生じない点でしょう。その一方であるイラスト作成の仕事を受注したとき、同じ仕事をした他のイラストレーターよりも明らかに質の高いイラストを作成したにも関わらず報酬額は同レベルになるため、別の意味で不公平感を感じてしまう面もあります。

それから先述したコスト思考型価格決定法とは対照的に、コストに見合わない仕事になってしまう場合もあります。同じような仕事といっても具体的な内容によってかかるコストにも違いが出てくるものです。同じサイトのトップページのイラスト作成の仕事でも、作業時間がかかるイラストとそれほどでもないイラストではコストに大きな差が出てきます。しかしこの決定法だとそうした面が考慮されず、みな横並びの報酬になりがちです。

この3つの決定法を土台にしつつ、先述したようなイラストレーターの知名度やブランドイメージ、実績、さらにサイズ、イラストが使用される媒体、使用する期間、さらには著作権なども考慮されたうえで最終的に報酬額が決定されます。長期間使用される方が高くなりますし、露出が多い媒体で使用される場合も高くなります。

全般的な傾向として、クライアントの予算やイラストレーターの知名度、使用媒体、期間が報酬額に大きく影響される一方、作成にかかる作業時間やコストの面はあまり考慮されない傾向が見られます。これはイラストレーターだけでなく、業務委託型の個人事業全般に見られる傾向ですが、会社員やアルバイトのように「長時間作業したから収入が増える」といった理屈が通じない面もあるので注意した方がよいでしょう。

もうひとつ注意したいのが著作権の問題です。ストックフォトの紹介で著作権を本人が持ち続けることができる点を特筆しましたが、逆に言えばイラスト作成の分野では持ち続けられないケースが多いとも言えます。つまりイラストを作成し、クライアントに納品した段階で著作権も譲渡し、そのイラストを本人が別の場所で使えなくなる、または使うときにはクライアントの許可を得る必要が出てくるのです。

この場合、著作権譲渡に関する取り決めも行われるのですが、この譲渡に関わる料金が報酬に含まれているかどうかも重要なポイントとなります。イラストで稼ぐようになった当初はここまで考える余裕はなかなか持てないものですが、長期的にイラスト作成で稼ぎたい、プロのイラストレーターとして活躍したいと思っている方は、いずれ必ずこの点について考える必要が出てくることは知っておく必要があるでしょう。長く多くのひとたちから愛されるイラストは作成したイラストレーター本人にとって非常に貴重な資産となります。それこそ年金のように長い間収入をもたらしてくれる可能性もあります。著作権を失ってしまうとその収入が得られなくなってしまう恐れもありますから、やはり著作権に関する意識は必要でしょう。イラスト作成の現場では有名なイラストレーターを除くとこの著作権料が考慮されずに報酬が決定されることも多く、フリーランスとしてやっていく際には自分でよく考慮して判断する必要も出てくるのです。

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