マガジン

個人デザイナーにロゴ作成依頼するメリットとデメリット~知っておきたい相場の違いと注意点

日頃生活する上で、企業のロゴを意識して生活している人は少ないかもしれません。しかし、起業や事業を立ち上げた時には、「名前を覚えてもらう」「どんな会社か知ってもらう」必要が出てきます。その際に、最も助けになるのが「一目でその企業の理念やビジョンを伝えられる」ロゴデザインの存在なのです。

ボールペンの書き味、鼻をかむティッシュの肌触り、同じ「グレープ味」のジュースでも味の深みや甘さなど、同じような商品でも製造元が異なれば、それらには明確な違いがあります。その商品が他よりも良いと感じた時、また同じ物を買いたくなる時、ロゴはその目印として活躍します。ただ名称で覚えるよりも視覚的に覚えやすく、同じロゴが入っている同系列の商品も手に取られやすくなります。企業の持つ良さを表明し、価値を保証する「証明」として、ロゴの有無、出来の良さは、企業価値に大きく影響のある要素です。

ロゴ作成を依頼するには

企業と顧客を結ぶ「顔」としての役割を持つロゴですが、専門のデザイナーを自社で雇用していない限り、ロゴ作成は企業や個人へと依頼して作成することになります。この時、「どうしてもこのデザイナーに依頼したい」という指標が無ければ、選択肢の多さに戸惑ってしまう人が多いのではないでしょうか。

ロゴ依頼をするには、そのロゴの「利用目的」を考えましょう。上述したブランディングのように、きちんとした、数年以上使いたい企業やチームの「顔」としてロゴが欲しい場合、商標登録も見越した企業、デザイナー事務所への依頼が確実です。

自分のブログのロゴを作りたい、とにかくいち早くロゴが欲しいなど、ロゴとしての恒常性や長年利用する「顔」としての用法では無い場合は、早ければ即日納品されることもある個人デザイナー、フリーランスやクラウドソーシングへ依頼するのも良いでしょう。

個人依頼と企業依頼の違い

ロゴデザイン制作における個人依頼と企業依頼の大きな違いは、「料金」と「納品速度」です。デザインの分野において、料金の高さが必ずしも依頼者が気に入るロゴとなる保証にはなりません。しかし、料金の中に「ラフ発案枚数の多さ」「修正数の多さ」「ロゴ使用上の注意をまとめたもの/CI、VIの有無」などが含まれている場合、しっかりと依頼者とデザイナー間でのイメージの擦り合わせが行われることで、結果として、品質や納得度の高いロゴが納品されやすくなります。

この点においては一般的に、個人依頼よりも企業依頼に軍配が上がります。デザイン事務所など複数人のデザイナーを雇用している企業では、ラフ発案を数人で手掛けることが多いものです。個人だと1人で3枚出すと似通ったデザインになってしまうところ、3人が1枚ずつ提出するので、選択肢として多様になりやすいでしょう。

他にも、既に実績の多いデザイン事務所であれば、弁理士と提携して「商標登録代行」などを請け負っていることも多く、企業の顔としてのロゴ作成においては、事務的な手続きがスムーズになるメリットもあります。

品質がメリットとなる反面、企業依頼では費用が高くなってしまう、最終的な納品が遅くなってしまうこともあります。それらの企業依頼のデメリットがそのまま反転しているのが、個人依頼のメリットです。

個人依頼のメリット

ロゴデザインを個人、フリーランスのデザイナーに依頼した場合の最大のメリットは、「料金相場の安さ」です。先述したように、企業では複数人のデザイナーによるラフが提案されることもあるため、企業依頼にはそれだけ人件費が加算されることになります。ロゴを高品質にする上で欠かせないディレクター、依頼者と直接話をする営業(担当者)など、企業依頼では必然的に関わる人数が増え、その分人件費がかかるのです。しかし、個人であれば人件費は1人分であり、根本的な相場の安さがここに現れます。

担当者による依頼者のヒアリング、複数人デザイナーによるラフ納品、それを踏まえた再度のヒアリングとディレクターの監修など、企業依頼の場合は多くの工程や定まった納品スケジュールによって制作が進みます。つまり、依頼者の手元にロゴが届く時間においては、最終的にスケジュールが空いている個人デザイナーのほうが速く納品される、ということもあるのです。

関連して、「デザイナーと依頼者が直に話し合える」のも、個人依頼のメリットです。企業依頼では担当者を介しての打ち合わせとなることが多いので、このように直してほしいという、伝聞では伝わりにくい細かいニュアンスや具体性の高いイメージに違いが生じることがあります。個人依頼ならば、その場でデザイナー本人と依頼者本人が話し合えるので、デザイン修正におけるすり合わせの精度が高まり、納品の速さにつながります。

個人依頼のデメリット

個人依頼のデメリットもまた、企業依頼のメリットを反転させたものとなります。企業依頼よりも品質の保証がされにくく、安かろう悪かろうなロゴが納品されてしまう可能性があるということです。もちろん、品質が高く、納品速度も個人のメリットそのまま、迅速に納品をしてくれる個人デザイナーもいます。しかし、クラウドソーシングでのコンペや駆け出しのデザイナーである場合、品質はそのデザイナーによってピンキリです。

「どうしてもこの人に依頼したい」という個人デザイナーが居るとしても、引く手あまたな人気のデザイナーであれば、その人が請け負える案件数は限られています。スケジュールが空くのを待たなければならず、抱えていた案件が長引いて、ロゴへの着手が遅れてしまう可能性があります。個人依頼のメリットである「速さ」は、デザイナーの依頼受付状況次第なのです。

デザイナーが1人であることから、ラフデザインの幅も狭くなりがちです。「その人が得意なデザイン」と「企業としてほしいロゴデザイン」が一致していなければ、ラフ提出の費用のみかかり、新たにデザイナーを探し直さなければならないこともあります。本当にそのデザイナーのデザインが依頼したいロゴデザインのイメージと一致しているのか、事前に仕事実績などをホームページや作品紹介ページできちんと確認できるデザイナーが理想的です。

個人依頼の相場

先述したように、個人依頼の相場は企業依頼よりも安い傾向にあると言えるでしょう。ただし、個人間でも価格差が激しく、実績を多く作るべく、駆け出しのデザイナーが安めに設定していることもあれば、中堅の個人デザイナーが自身のデザインに見合った価格として、高めの料金設定にしていることもあります。一般的には、20,000~80,000円が個人依頼でのロゴ作成の相場だと言われています。

費用相場(円)
企業A500,000~1,000,000
企業B300,000~500,000
企業C150,000~300,000
フリーランスA80,000~150,000
フリーランスB30,000~80,000
フリーランスC10,000~30,000
クラウドソーシング5,000~30,000

個人依頼の場合、気をつけたいのは「ラフ提出1枚あたりの料金」「修正回数1回あたりの料金」がどのように設定されているのか、という点です。

デザイン料ラフ枚数/料金修正回数/料金
個人A50,000円デザイン料込みデザイン料込み
個人B30,000円2枚/3,000円2回/3,000円
個人C10,000円1枚/3,000円制限なし/1,000円

表の例では一見、個人Aが最も高く見えますが、ラフの枚数・修正回数含めてデザイン料に含まれており、ラフ枚数・修正回数が多くなっても、50,000円がデザイン料としての最大値となります。デザイン依頼においては、他にも打ち合わせにおける経費支出などが生じることもありますが、ここでは省略します。

最も安く見える個人Cは、基本的なラフ提出が1枚のみで、追加ごとに3,000円という料金が加算されていきます。追加で5枚のデザインラフ提出を求めると、その時点で15,000円の追加料金が生じてしまいます。1,000円ごとの修正も、安いからと何度も繰り返してしまうと、それだけ料金が発生します。何より「修正する=デザインとして良くなる」とも限りません。特に、デザインについて素人な依頼者がやってしまいがちな、「なんとなく違う」というあやふやな感覚での修正依頼は、「色々見た結果、やっぱり最初の修正が一番良かった」となりがちです。

これらの価格はあくまでも一例です。ラフ提出が何枚なのか、追加では何円になるのか、修正は何回目から有料で、何回目まで対応されるのか等は、個人デザイナーによって全く異なっています。修正料金は、デザイン料の10%~20%の価格帯が一般的だと言われています。個人デザイナーによってはホームページ上ではこうした情報を記載しておらず、実際の打ち合わせで依頼内容を受けてから提示し、依頼者の希望に合わせてすり合わせを行う人もいます。

ロゴ作成依頼におけるNG例

個人依頼と企業依頼では、発生する料金の違いから、依頼者側の視点や取り組み方も変わってしまうこともあります。とはいえ、「企業依頼」においてしてはいけないことは、当然、個人依頼においてもしてはいけません。信頼を損なう行為はデザイナーのモチベーションの低下となり、ひいては品質の低下につながることもあります。

他デザイナーへの同時発注

クラウドソーシングで行うロゴのコンペのような感覚で、何名かのデザイナーに依頼して最も良かったものを採用する方法は、依頼者側にはコストと品質が担保されるメリットがありますが、請けるデザイナー側にとって「時間をかけて手がけた成果物が実績とならない」という明確なデメリットが生じます。この方法を行う場合、事前に依頼するデザイナー全員にその意図を伝え、合意を得た上で行いましょう。

計画性の無い完成品の複数パターン発注

これも上記と似ていますが、「複数作らせて、良かったほうを残す」という手法は、「使われないものを無駄に作らせる」ことと同義です。デザイナーにとって、制作物の実績はそのまま「こういったデザインが作れる」「実際に利用されている」という看板でもあります。言い方を変えれば、職人に頼んだ一点物であり、無神経な扱いはモチベーションの低下のみならず、企業イメージの低下、次回の依頼受注の妨げになる可能性もあります。複数パターンを求めるのはラフ時に留めましょう。

盗作依頼

「あのロゴのちょっと色を変えたやつが欲しい」「あのロゴと同じデザインで文字だけ変えてほしい」といった依頼はNGです。商標登録をされている企業ロゴであれば違法行為に抵触するだけでなく、それを掲げることが企業としてのモラルにも関わります。パロディグッズとして有名企業ロゴを弄ったものはありますが、あれはあくまで「パロディ」として成立しているものであり、それを自社ロゴとしてしまうのは、紛れもない盗作となります。他人の顔に乗っかって自社の顔とせず、自社の良さを広めるためのロゴ作成をするべきでしょう。

具体性の無い依頼、修正依頼

「格好良くしてほしい」「可愛らしくしてほしい」という依頼は、当人の頭の中にそのイメージがあるとしても、それを受けるデザイナー側には無数の選択肢が生じています。デザイナー側が、入れたい意匠、色、イメージとして与えたい印象やロゴタイプの特徴などをヒアリングするケースでも、「よくわからないからお任せで」と言ってしまう依頼者も実は少なくありません。

デザイナー側がそれならばと捻り出したラフ案に、「違う、こういうのじゃない」という後出しの修正を出せば、ラフ1枚分の時間と工数が無駄になってしまいます。依頼者側がしっかりとイメージを持った上で依頼するのが望ましいです。

確固たるイメージはあるが、それを絵にするほどの絵心が無い、言葉でもどう表現したらわからない場合は、無料のロゴジェネレーターで、目安としてのロゴを生成してしまう方法もあります。ロゴジェネレーターはテンプレートのシンボルと文字を組み合わせるもので、企業ロゴとしてしまうには類似性の高い物が出来過ぎてしまう問題点がありますが、イメージを伝えるものとして利用するには向いています。そうして提示されたロゴを見て、よりイメージに近づける色使い、ロゴタイプとシンボルのサイズ比やフォント選びなどが、デザイナーの腕の見せ所となるでしょう。

個人で依頼を受け付けているデザイナーの探し方

依頼したいデザイナーがロゴ作成依頼を受け付けているかどうかを知るには、そのデザイナーのSNSやホームページを探してみましょう。依頼を受け付けているデザイナーであれば、「依頼はこちらの連絡先から」と情報を記載していることがあります。

特定の個人デザイナーに依頼したいのではなく、数多く居る個人デザイナーの中から「これだ」という人を見つけたい場合には、「ココナラ」「ランサーズ」「クラウドワークス」といった、個人デザイナーが登録している総合サイトから見つけ出す方法が一般的です。いずれのサイトも依頼者側の登録が必要ですが、フリーランスデザイナーが数多く登録しており、全く指標が無い状態からロゴ制作依頼をしたい場合に役立つサイトです。

金銭面のやりとりは誤解のないように

担当者が仲介に入り、しっかりと自社ノウハウが作られている企業デザイナーと異なり、個人デザイナーとのやり取りでは金銭トラブルが発生してしまうことがあります。ロゴのデザイン料金、ラフや修正において発生する料金だけでなく、納期変更における追加料金、何日前までキャンセルできるのか、キャンセル料金はいくらなのか、あらゆる金額をあらかじめ洗い出しておく必要があります。デザイナー側が提示しない場合、依頼者側が提案し、お互いに誤解のないように決めておくことが、ビジネス上、得策です。

個人デザイナーへの依頼は、仕事のやり取り上では「個人」と「企業」の関係性であったとしても、仕事が終わればデザイナーも「顧客」の1人となります。「ただの個人」と侮って、取引内容を勝手に変更するなど身勝手な扱いをすれば、この顧客は失われ、デザイナー間の風評でも企業イメージが低下します。近年では、SNS上での告発・炎上も珍しくなくなりました。

繰り返しになりますが、個人デザイナー依頼におけるメリットは、「デザイナー個人」と話ができ、すり合わせがしやすいという点です。お互いに不愉快な相手となってしまっては、このメリットはデメリットとなってしまいます。安易な値下げ交渉等は行わず、「あなたのデザインだから欲しい」「あなたのデザインを我が社の顔にしたい」という熱意を伝え、「取引相手」として相応の対応を心掛けましょう。

イラスト制作のことならオリラボに何でもお任せください! あらゆるタッチに対応可能ですので、ご希望通りのテイストでハイクオリティなイラストを短納期で制作いたします。 ご相談は無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。
関連記事