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ロゴ作成費用はどれくらい?企業と個人で違う、ロゴを依頼する際の相場

ロゴ(ロゴマーク)は、一目でその会社・ブランドのものだと判るために、装飾的に作られる図案です。身近なコンビニで言えば、「爽やかな青地に白抜きの牛乳缶」はローソン、「緑地に赤とオレンジの大きな7」ならセブンイレブンとなります。これらのロゴは、看板として活躍するだけでなく、地図上の記号として、商品に記載する印として、コンビニそのものに入らずとも、幅広いシーンで目にしています。

同業者やお客様問わず、他人にその会社・ブランドを知ってもらう第一歩として、ロゴはとても重要な役割を果たします。「知ってもらうための象徴的なマーク」という性質上、ロゴを簡単に変更することはできません。折々でデザイン調整が入るとか、会社同士の吸収合併などで大きく社名が変更される場合に変更されることはありますが、基本的には数年~数十年の間、最初に作られたロゴが、会社・ブランドの顔として活躍し続けます。

オリジナルロゴの必要性と重要性

多くのロゴは、ただ文字を並べたものではなく、デザイン的に大きさや書体を調整されたもので作られています。それは「その会社・ブランドを象徴する」もので、固有性を重視されているためです。ただ既存の、一般的なフォントで作られたものは、手軽であっても印象に残りません。もちろん、ロゴの良さだけが商品の良さを保証するものではありませんが、逆に「商品が良い」のを「ロゴが保証してくれる」から手に取るという体験は、だれしもあるのではないでしょうか。

例えば、板チョコレート一つとっても、明治からロッテまで、様々な会社が製造しています。包装をはがした板チョコを数枚並べて「選んでください」と言った時、無作為に1枚を手に取る人がほとんどでしょう。しかし、そこに各社のロゴが情報として加わることで、「チョコはあの会社が美味しかったな」「この中だったらあの会社が好きだな」という、経験からの選択肢が生じます。これこそがブランドイメージであり、ロゴが作り出す効果になるのです。

これと同様のことが日頃の買い物でも言えます。数々の商品が並んでいる中から「その商品」を手に取った時、そこには少なからず「その商品を選んだ」理由があり、ロゴマークはその商品を選ぶための目印として、消費者に大きな影響を与えています。

「ロゴ」はどうやって作られるのか

ロゴを作成するのに、自社内で作る部門・技術が無い場合はデザイン事務所等に依頼し、納品してもらうことになります。この場合、実際に作成するのはデザイン事務所ですが、発注者側にも求められる作業・工程があります。具体的にどういったイメージのロゴにしたいのかを提示したり、提案された図案からイメージに近い物を選んだり、出来上がったものを最終確認したり、ロゴ完成に至るまでに何段階かの確認作業が必須です。

詳しくは後述しますが、最初に出したイメージ案に対するデザイン事務所側からの提案数や修正回数等が多いほど、基本的にはデザイン依頼費用は高くなっていきます。

海外デザイン事務所にロゴ依頼をする際には、ある注意が必要です。logo markという単語を用いてしまうと、意味が通じません。英語では、そのまま「logo」が正しい表記となります。細かくは、ロゴのうち、デザインフォントを用いる文字部分をlogotype、図案と文字を含めた全体のロゴを指してlogoと表記されます。「社名・ブランド名を図案にし、ロゴタイプを含まないものはsymbol、またはsymbol mark」と記述されていることもあります。ただし、後者のsymbol mark(シンボルマーク)は、ロゴマーク同様に和製英語です。

ロゴ作成の相場

デザイン事務所にロゴ作成を依頼した場合、単純に「1枚のラフ提出を含むロゴ作成」を求めるならば、その相場はおよそ60,000円~150,000円です。そのプラン内に入っている以上の提案数を求める場合、1案追加ごとに10,000~20,000円が追加されるケースがあります。

ロゴ作成を受注している個人デザイナーへ依頼すると、およそ20,000~50,000円が一般的だと言われています。同じロゴ依頼であるのに、これだけ費用の違いが顕著であるのは、事務所(企業)と個人とで「ロゴ作成に関わる人数の違い」「取引としての責任感、品質の精度の違い」があります。

品質的に確実なもの、企業の顔としてのブランド戦略を求めていくならば、個人であれデザイン事務所であれ、150,000円~からのロゴ制作を請け負っている所が確実と言えます。ラフ提案も、150,000円クラスであれば2枚以上を料金内に含めていることが多く、低価格であっても、ラフ1枚のみの発注よりも安上がりになるメリットがあります。依頼したい候補が決まったら、料金表だけでなく、ホームページ内で制作実績と制作事例を確認し、さらに絞り込んでいきましょう。

300,000円~クラスでは、複数枚以上のラフ提案に加え、「納品したロゴはこのように使うと効果的である」という「ロゴレギュレーション」を併せた納品がされるようになります。そのロゴを制作物に組み込む上での注意点、例えば「この色と一緒に組み合わせてはいけない」「印刷時・WEB表記時のカラーコード」「色地にロゴを載せる際の最低限の余白」など、素人であっても、そのロゴの意図や見栄えを台無しにしない、最低限の用法が分かるようになります。

500,000円~では、ほとんどの場合、そのデザイン事務所で既に数多くの実績を持っている、高名なデザイナーが手がけるものとなります。あるいは、広告代理店を仲介した場合にこの価格になることもあります。

1,000,000円クラスは、オリンピックなど「世界へと発信するためのロゴ」の価格帯となります。

費用相場(円)作成人数品質担保
企業A500,000~1,000,0002人~あり
企業B300,000~500,0002人~あり
企業C150,000~300,0002人~あり
フリーランスA80,000~150,0001人個人による
フリーランスB30,000~80,0001人個人による
フリーランスC10,000~30,0001人個人による
クラウドソーシング5,000~30,0001人素人もありうる

ロゴ作成トータルでかかる費用の内訳

一口に「ロゴデザインの費用」と言っても、以下のような内訳で、細かに発生する費用が分かれています。この内訳や価格設定は会社・個人によって全く異なっており、「目安」としての料金を提示することは難しくなっています。費用だけ見れば同じ料金であっても、ラフとして提出される枚数、修正回数の違いもあるのです。「ラフ提出は1枚、修正は1回ごとに別料金加算」「ラフ提出は3枚、修正は2回まで無料」であれば、後者の方がより安価で、ブラッシュアップされたロゴを納品される可能性が高いでしょう。

デザイン費

デザインそのものにかかる費用です。上述した表の通り、デザイナーの実績やデザイン事務所の規模によっても、大きく費用に差が出ます。中央値としては30,000~100,000円です。自社ブランディングに関わるロゴであれば100,000円以上のしっかりとした事務所・実績ある個人に依頼したほうが品質や納品上確実ですが、一方で社内イベントや催しなど、ブランディングに関わらないロゴが必要であれば、クラウドソーシングや無料のロゴ作成サービスを利用する方法もあります。

また、多くの場合、ロゴデザイン依頼は「シンボル+ロゴタイプ」、つまり2つのマークを合わせた依頼となりますが、会社によってはシンボルとロゴタイプがそれぞれ別途発注となる場合もあります。まずは名前だけを覚えてもらうための、会社名だけのロゴタイプが必要であれば、そうしたデザイン発注を請け負っている会社・デザイナーを探しましょう。

作業料

デザイン作成における「工数」にかかる費用です。一般的な業務における「時給」に相当するものであり、デザイン作業においては「平均年収÷12ヶ月÷165時間×2=作業料」という計算式で表している企業もあります。

付加価値料

そのロゴを使用する規模(量的指数)を数値化、さらにロゴデザイナーの知名度、能力(質的指数)を数値化したものが、付加価値料です。大きなキャンペーンやイベントにおけるロゴ作成、または高名なデザイナーに依頼する際に、大きく加算されます。

提案数

ロゴ依頼者側が発注前に確認しておきたい項目の一つです。発注においては、大まかなロゴイメージをデザイナーに伝え、それを受けてデザイナーがラフを提出することが常ですが、このラフ数がすなわち提案数です。知名度の低いデザイナーなら2~3枚、複数デザイナーが所属する事務所ならば10枚、仕事を多く抱えている個人デザイナーなら1枚のように、デザイナー側によって様々なケースが存在しています。

一見、提案数が多いほうが良いように感じられますが、最終的に1枚に絞り込む以上、候補が多すぎると視点がブレてしまいますし、たくさんラフを追加発注したとしても、デザイナーが1人であれば、似たり寄ったりのデザインが提出されることもあります。ラフ枚数が多い程、相応にラフ作成にかかる時間と、それを絞り込む時間がかかるというデメリットもあります。

修正数

こちらも、依頼者側が発注前に確認しておきたい項目です。ラフを経て仮完成したロゴデザインには、「ロゴタイプ(文字)のフォント」「シンボル図案」「色合い」「それぞれの大きさ」など、数々の修正点が生じます。3回程度の修正であれば追加費用なしで対応しているデザイナー・デザイン会社もありますが、基本的には修正毎に、デザイン費用の10%ほどの価格で料金が上乗せされます。

デザイン的な視点で、素人である依頼者側が「なんとなく違う」「なんとなくイメージと違った」など、具体性のないふんわりとした考えで修正を出してしまうこともあります。そうした修正を何回も重ねた結果、「やっぱり最初のデザインままが一番良かった」ということも往々にあり、修正費用が無駄に嵩んでしまうので、注意が必要です。

支出経費

ロゴをデザイン・作成するにあたってかかる経費です。打ち合わせの通信費や交通費、飲食を伴う打ち合わせならば、その飲食費もここにあたります。他にも、デザインを作成する上でのソフト利用費、フォント使用料など、直接「デザインを作る上で必要とされた雑費」などもここに含まれます。

商標登録費用

デザイン事務所の中には、ロゴの商標登録を含めて代行する会社もあります。ロゴの商標登録には、特許庁に出願を出したり、期限内に登録料を支払ったりなどの手間と追加出費が必要となります。出願費用は1区分で最低12,000円×10年分の登録料282,000円とまとまった金額となり、権利が認めらなくても返金されません。商標登録をするつもりであれば、提携する弁理士によるチェックが行われるデザイン事務所に依頼するほうが、迅速かつ確実性が高まります。代行費としては150,000円が相場となります。

CI、VI作成費

先述した、ロゴレギュレーションの正式な概念名です。Corporate Identity=CIは企業内外に統一したイメージを作るという企業戦略であり、Visual Identity=VIはロゴタイプ・シンボルという「ビジュアル」を用いる企業戦略です。実際的には、双方の関係性は同じ意味合いで使われていますが、CIを組織のシンボル・ロゴタイプとして、VIを組織に関係がないシンボル・ロゴタイプとして、作成実績が呼び分けられていることがあります。

景観に合わせるなどの理由がなければ、基本的には「ロゴ」の色彩・サイズ比率は不変のものであり、色合いを少し変えてしまっただけでも違和感が生じます。これらは企業イメージの統一上、避けたい事態です。そうした「違和感」を生じさせない使用方法、地色の組み合わせやNGの使用方法などをマニュアル化、ルールを明文化したものが「CI、VI作成費」です。ブランディング効果を求めるならば必要なマニュアルですが、安価なデザイン会社では、この作成をプランに含めていないこともあります。マニュアル作成を明記している会社では、およそ100,000~150,000円が相場となっています。

ロゴ作成依頼に必要な「具体性」と「確たる完成イメージ」

想定よりもロゴ作成に費用がかかってしまったというケースの多くは、「ラフ提出数が増えた」「修正回数が嵩んだ」ことが原因となります。

真面目なイメージ、熱血なイメージ、爽やかなイメージでは、それぞれ象徴する色合いやフォントの雰囲気が異なるものです。例えば、「細いフォント、青色ベースで熱血なイメージ」という発注をするとします。依頼者の頭の中では何らかのイメージが出来ているとしても、デザイナー側にとってはそれぞれの要素がちぐはぐであり、熱血をイメージするシンボルも無数に存在しているため、1枚のラフ提案では依頼者のイメージにそぐわない可能性が高まります。

しかし、ここに「シンボルはたくましいガッツポーズと、速さを表すような効果線のイメージで」と加えるだけで、デザイナー側により具体性の高いイメージが伝わり、修正の擦り合わせもしやすくなります。

ロゴデザインを依頼する場合は、「どういったロゴを作ってほしい」「予算はこれくらいで作ってほしい」という依頼者側の考えだけでなく、デザイナー、デザイン事務所がどれだけ要望に応えてくれるか、プラン内の提案数や修正数はどうなっているかを鑑みて、決めていきましょう。

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